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ロン・ミュエックとは

ロン・ミュエック(ロン・ミュエク/Ron Mueck, 1958年 - )はイギリスを拠点として活動しているオーストラリアはメルボルン出身の彫刻家で、現代アート界で最も注目を集めているアーティストの一人であるといえよう。ミュエックは、シリコン、ファイバーグラスといった現代的な素材を用い、古典的な鋳造の技法によって、人間身体を彫刻によって表現しています。非現実的な作品サイズと極限のリアリズムは、人間の存在性を問うているようです。

ロン・ミュエックの経歴

1970年代末より映画やテレビ番組用の模型作りにたずさわり(『ラビリンス/魔王の迷宮』(1986年)など。なおこの作品では声優としてもルドの声をあてている)、その後作品制作活動をはじめる。ロンドンで自分の会社を立ち上げてからは広告用の小道具などの製作をしていたが、リアルな彫刻を作りたいと欲したミュエックは、 1990年代中頃からは、多くのグループ展に参加し、そこで注目を集め、1996年美術界に転身。近年では世界中で個展が開催され、常に現代美術界の話題を集めています。

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ロン・ミュエックの作品紹介

・ デッド・ダッド(Dead Dad, 死んだ父、1996年 - 1997年) 裸で仰向けに横たわるミュエクの父親の死体を2/3スケールでぞっとするほどリアルに再現したもの。この作品の仕上げにミュエクは自分の髪の毛を使った。この作品によりミュエックの名は一躍世間に知らさしめられることになった。サーチ・ギャラリー所蔵。
・ ボーイ(Boy, 少年、2000年)高さ5mのかがんだ少年の彫刻。現在はデンマークオーフス現代美術館所蔵。
・ プレグナント・ウーマン(Pregnant Woman, 妊婦、2002年)高さ2.5mの裸の妊婦像で、両手を頭の上で曲げている。オーストラリア・ナショナル・ギャラリー 所蔵。 ・ トゥー・ウィメン・グリム(Two Women Grim, 2005年)2人の初老の女性の小さな像。ブルックリン美術館所蔵。
・ Untitled (Big Man)(2000年)高さ2.1mの裸で無毛の好戦的な顔つきの男の像。座って左手の肘を左足の膝に乗せている。この作品は隅に置かれるようデザインされている。
ここからは金沢21世紀美術館で開催された『ロン・ミュエック展』で披露されている作品
・ マスクII(Mask II, 2001年 - 2002年)ミュエクの自画像。775X118X85CMという大きさ。
・ マスクIII(Mask III, 2005年)黒人女性の巨大な像。
・ マン・イン・ア・ボート(Man in a Boat, 2002年)実物大の木製の漕ぎ船に座る裸の男の像。
・ イン・ベッド(In Bed, 2005年)物憂げな表情でベッドに寝ている巨大な女性像。これはミュエックの妻がモデルらしい。ブルックリン美術館所蔵。
・ ワイルド・マン(Wild Man, 野生の男、2005年)高さ2.7mの座っている椅子を手で握っているヒゲ面の裸の男の彫刻。
・ ア・ガール(A Girl, 2006年)口をゆがめ、薄目をあけて、足をふんばる新生児。5メートルもある大きなその体には母親の胎内の血やへその緒ですらそのままついている状態。
・ スプーニング・カップル(Spooning Couple, 2005年)ベッドに一緒に横になる中年カップルのミニチュア像。 スプーニング=いちゃいちゃ、という名前とは裏腹にどこか心は離れている印象の像である。

ロン・ミュエックの作品についての感想

いわゆるスーパーリアルといわれる類の作品群です。肌の質感、色合い、皺、毛穴の一つ一つ性器や血管の浮き出ている感じまでがすべて精密に再現されているのに、「ガール」などに代表されるように、小さい新生児をあえて5メートルもの巨大な作品に仕上げていたり。その作品の大きさは一転してアンバランスでアンリアルなものであるがゆえに、不安で不調和な視覚的イメージを掻き立てるものでした。大変おもしろい作品であるのですが、そのリアルは、深く刻まれた皺であったり、あまった肉のたるみ具合であったり、波打つような静脈だったり、ムダ毛の処理跡であったり、世間で言うところの「美」とは対極にある「リアル」でした。しかしそんな中にも、生きる人間の力強さを感じさせる作品ばかりです。作品集だけではなく、生で見る機会があればぜひその目に焼き付けてほしいと思います。

ロン・ミュエック 彫刻家