スポンサードリンク

不登校・現在の状況

不登校とは、本人の意識上では「学校に登校したいし、登校しなければならない」と考えているにもかかわらず、いざ登校しようとすると心身に過緊張状態が出てしまい登校できなくなってしまう状態を言います。文部科学省の調査では年間30日以上欠席した不登校の小・中学生の数が12万9254人(平成19年度報告。前年度比1・9%増)に上り、2年連続で増加しています。特に中学校では34人に1人が不登校の計算で、過去最高となっていることが学校基本調査などからわかっています。また以前は不登校とは限られたいわゆる問題児が起こす問題と思われがちであったが現代社会における学校での不登校については“ごく普通の子どもでも起こりうる事例”との見解も出されているくらい日常化した問題であるといえるでしょう。この増加傾向については、文科省はもちろん各自治体および学校においても登校を絶対視する考えが転換されてきており、本来通うべき学校以外の民間指導・相談施設への通所も出席扱いにできる方針を打ち出し始めていることもさながら、「子供の自殺への懸念などから、『無理に学校に行かせなくてもいい』と思う親が増えているのが一因では」との見解を示しているようです。

スポンサードリンク
スポンサードリンク

不登校に伴う身体症状

不登校の初期には身体症状が伴いやすく、腹痛、下痢、頭痛、発熱、全身倦怠、嘔吐などを訴える場合が多いようです。朝方に症状を訴えるものの、昼頃からは元気になり、食欲や全身状態も好転することが多く見られます。こうした身体症状は登校への過緊張が機能的障害を招くためなのですが、時には起立性調節障害、過敏性腸症候群、神経性胃炎、潰瘍などの器質的障害を伴うことも珍しくありません。いずれの場合にも小児科医の対応がその後の経過に影響を及ぼしやすいので、身体症状のみでなく心理的要因にも目を向けて本人の訴えをよく聞き、受け入れてやり、その苦痛を受容的に理解して治療や対応を進めていかなければいけないと思われます。

不登校 問題 の治療・対応の進め方

状況の聴取 身体状況や日常生活、家族関係、友人や学校生活などの状況を聴取することから始まります。登校に関しては主に次の5点について家族から聴取し、不登校に至るまでの要因や状況を把握するとともに、適切な対応が行われているかを検討します。  (1) 不登校が始まった頃の状況はどうであったか。環境の変化や誘因となる出来事はなかったか(学校や家庭でのトラブル、学業不適応などがないか)。  (2) 不登校が生じてから本人はどう変化したか(葛藤や無気力が強まってはいないか)。  (3) 家族・学校は不登校にどう対応しまた変化してきたか(適切な対応・対処が進んでいるか)。  (4) 家族・学校は本人のどのような変化を最も期待しているのか(登校か安定かなど)。  (5) 学校などのサポートはどうなっているか(家庭と学校との協力体制ができているか)。  本人とは以下の点について可能な範囲で話合い、本人の葛藤状態を解決するための適切な対応方法を探りますが、その場合返答は焦らず、時には日数をかけて聴取することが望ましいでしょう。  (1) 現在望むことは何か(自分自身、学校、家族にどんな変化を期待しているか)。  (2) 欠席に伴う不安や悩みはないか(学業、友人関係、日常生活での困難や不安は何か)。  (3) 今後の希望は何か(進学、進路、考え方など)。  家族や本人の話から、不登校につながる要因を検討して本人や家族を援助していくべきかを考えるのですが、多くは複合的な要因が起因していることが多く注意が必要です。

不登校 問題 の治療・対応体制の決定

治療・対応が必要な場合,その体制を決定するために矯正が可能か、専門的な心理治療が必要な場合はそれを何処で行うか(カウンセリングが可能か、治療体制は整っているか、治療スタッフはどうか、他科あるいは他機関への紹介が必要か、など)を加味しながら対応方針を決定していきます。

不登校 問題 の本人への対応

 (1) 登校を目標として、学校へ距離的に徐々に接近してみたり、登校しやすい曜日や時間を選んで登校してみたり、学校行事や課外活動などのほうへ参加してみたりなどの工夫をしてみるとよいでしょう。それと同時に学校の問題点を改善したり、教師・友人の協力を得るように尽力したりすることも忘れてはいけません。また以上のことが現状で不可能であるということであれば、転校などの要素も加味して具体的な登校計画を進めていきます。  (2) 生活リズムの確立や手伝いなどをして意欲を出させたり、また趣味やスポーツなど打込める目標をもたせたり家庭学習を進める、家族関係を改善する、など、一時登校することを控え、家庭生活の充実を図ってみることもよいでしょう。  (3) 指導・相談施設のデイケアや習い事などの小集団に参加させてみるなどもよい方法です。 いずれにしても、 指示や干渉は控え、本人の意志を尊重して見守っていくことが大事であり、重ねて身体的あるいは心理的障害が顕著な場合は、その治療を優先することも重要です。何よりも再登校だけが目標ではなく、本人の成長を支える前向きなステップとしての対応を行うことが最も重要な部分です。ここで強引すぎる方法に持って行くと結果的にマイナスになることが多いと言います。

不登校 問題 の対応の注意点

不登校の長期化には,不登校しているということが周囲に知られることによって出てくる二次的な問題、特に環境との葛藤が強まったり、友人との疎遠や学業の遅れが不安になったり、不規則な生活リズムから抜け出せなくなったりするということなどが本人の自信を低下させ不安を増幅させてしまい、その結果、登校がさらに困難になるという悪循環が生まれてきてしまいます。こうした二次的悪循環の防止・改善が重要なポイントとなってきます。また、教師はもちろん時には心理士やソーシャルワーカーなどの専門家の協力を得た対応や援助が必要となってきます。特に家庭内暴力や閉じこもりが続いたり、抑うつや行動異常が顕著な場合には、精神科などの専門分野に依頼する勇気も必要となります。とにかく不登校とは疾患の診断名ではなく“状態像”であり、不登校自体は幅広い子どもにみられることであるということに留意し、不登校児というレッテル貼りを避けるための配慮が肝心と言えるでしょう。

不登校 問題 について